ハンカチ専門ブランドを体験や世界観からリブランディング
Takramは、PARADE株式会社※のパイロット事例として、中川政七商店とともに同社のハンカチ専門ブランドmottaのリブランディングを手がけました。
※2021年10月に株式会社中川政七商店とともに始動したビジョナリーブランディングチーム。ビジョナリーブランディングに特化したコンサルティングサービスの提供を通して、ブランドのビジョン策定やコミュニケーション戦略のサポート等を手掛けます。
2013年にスタートしたmottaは、普段使いの「肩ひじはらないハンカチ」をコンセプトに、多くの方々に親しまれてきましたが、ブランドスタートから8年という歳月のなかでライフスタイルや生活者の価値観など、プロダクトを取り巻く環境は変化し、商品の“機能”だけでなく、ブランドを通して得られる“体験”や“世界観”の構築、またデジタル対応を一層求められるようになり、ビジョンのレベルからブランドを見直す必要がありました。
まずチームとして、ハンカチのもつ情緒的な世界観を構築するため、ハンカチそのものの根源的価値を社会や文化、哲学など、あらゆる観点から検証しました。ハンカチが使われる場面ごとに100を超えるキーワードをピックアップし、「ニュートラル(日常的)」「リチュアル(内面に寄り添う)」「セレブレーション(ちょっとした遊び心)」の3カテゴリーにキーワードを振り分け、その意味を考えていきました。
このプロセスを通して、新たなブランドビジョン「昨日、今日、明日。新しい気持ち。」、ブランドコンセプト「リズム、ととのう、ハンカチ。」を導き出しました。そして、この情緒的価値観を体現するようビジョンとコンセプトに合わせて、ロゴやパッケージのリニューアル、さらには新たなデザインのハンカチや新たなプロダクトカテゴリーであるハンカチパフュームの開発を行いました。
“毎日持ち歩くハンカチは、手を拭うプロダクトではなく、わたしの一日に寄り添ってくれる存在”と捉えました。ブランドの考えを象徴するコンセプチュアルなアイテムとして、スパイスのように気分をプラスし、新たな体験をもたらすハンカチ専用の香水を開発。生地に吹きかけることで、ハンカチを広げるたびにささやかな香り、気分の切り替えやリラックスしたひとときへと導きます。
ブランドの世界観とECとしての機能のバランスを配慮したECサイトのデザインを行いました。メディアなど奥行きのあるコンテンツを格納するサイト設計をしつつ、刺繍やパフュームなどの多様なアイテムの購買につなげるためのデザイン上の工夫や、ハンカチの刺繍のシミュレーションなどデジタルならではのコンテンツを作成しました。
Photography by Hideaki Hamada, Image made by Takram
デジタル、リアル両面で顧客とのタッチポイントを築くだけでなく、顧客体験を長期にわたってカバーするためのカスタマージャーニー設計を行いました。また、顧客との長期的関係をベースにした事業プラン、ビジネスモデル策定サポートも実施しました。
Photography by Tomoro Hanzawa
FRACTA Inc.
Hideaki Hamada
, Tomoro Hanzawa