21_21 DESIGN SIGHTで展示した未来のシェア文化へのスペキュレーション
「Professional Sharing:シェアの達人」は、シェアリング・エコノミー=共有型経済の本質やその行き着く先についての議論を促すためのデザインプロジェクトです。プロジェクトの中心は、シェアリング・エコノミーが浸透した世界で「シェア」を生業として生きるプロフェッショナル・シェアラーであり、彼の{異質な|自然な}生活と、それを{受け入れた|受け入れきれない}社会との間でおこる対話や摩擦が、ドキュメンタリー映像によって描写されています。
「シェアリング・エコノミー」があらゆるレベルに浸透した世界一どんな余剰のリソースも他人に売ることができる。部屋や土地、車などの資産。時間やスキル、知識やデータなどの抽象度の高いマテリアル。今では当たり前になったウェアラブルコンピュータのプロセスやバンド幅やスクリーン。さらには身体がつくりだすエネルギーや生体データ。個人の持つあらゆるリソースはアルゴリズムによって監視され、より価値の高いリソースを生み出すためのマテリアルとなるか、さもなければ他人へと即座に売られていく。どんなに小さな決済も、仮想暗号通貨によって無料かつ秘密に行うことが可能。
テクノギーく達は「〇〇をシェアするためのデバイス!」というクラウドファンディングキャンペーンに熱狂しては、デバイスに投資し、使い、身につけ、リソースをシェアし、日銭を稼ぐために街中を奔走する。マーケットや環境や自分の体調に左右されて目まぐるしく変化する予想銀行残高と自分の価値。シェアだけで身を立てる夢をみながら奇異なデバイスで身を削る…それが「プロフェッショナル・シェアラー」である。
Kentaro Hirase (CANOPUS Inc.)
,Masayuki Toyota
TONY
Alexa Pollmann
“THE FAB MIND” 2014-2015 at 21_21 DESIGN SIGHT, Tokyo