Milan Design Weekでのダイキン工業によるインスタレーション
Takramは、ダイキン工業がMilan Design Week 2020での展示を予定していたインスタレーション作品を手掛けました。どこにでもある空気に新しい光をあてる展示「Every Air」は空気を見つめ直す試みです。Milan Design Week 2020の中止に伴い展示の機会はなくなりましたが、その体験を伝える映像を制作しました。
手のひらを空に向けると、そこには100kgもの空気が乗っているといいます。
私たちを包んでいる空気は一見ありふれた、あたりまえのもの。
でも実はとても不思議な、驚きを与えてくれるのでもあります。
この星の熱を保ち四季をつくり、奇跡的に私たちを生かしている、空気。
身近すぎるからこそ見過ごしてしまうこの不思議なものを、
見えるように、触れられるようにしてみたい。
あなたがこの文章を読んだ15秒のあいだに、
あなたの肺は4リットルの空気を吸い込み、
上空のジェット気流は西から東に1.5km進み、
世界中で15000トン以上のCO2が排出されています。
どこにでもある空気に新しい光をあてる展示「Every Air」は
空気を見つめ直す試みです。
「あたりまえ」の再発見は、驚きに満ちています。
空間には大小様々な透明のバルーンが浮かびます。
徐々に照明が消えると、バルーンの表面に青白く光る文字が現れます。
この言葉は、バルーンの大きさの由来を説明しています。
「この中にカエサルの最期の一息に含まれていた空気の分子が少なくとも100個以上含まれている。」
「500mlのコーラの中に入っているCO2」
「この瞬間、100万分の1秒の間に世界で排出されているCO2の量」
空間はゆっくりと明暗転を繰り返します。来場者は歩き回りながら、バルーンの大きさを体感し、その意味に思いを馳せます。「Every Air」は、普段意識することの少ない空気の存在を見つめ直す機会をつくります。
大小17種類のバルーンそれぞれに、異なる言葉が書かれています。
これらのメッセージは身の回りにある身近な空気への気付き、想像力を膨らませるストーリー、そして環境問題への意識という観点で選ばれました。
「あなたが走っている時、1分間に吸い込んでいる空気」
「この中には約600000000000000000000000個空気の分子が含まれている。」
「牛1頭が1日に出すおならやげっぷの量」
当初は、Milan Design Week 2020のVenturaエリア・ミラノ中央駅の高架下スペースでの展示を計画していました。計画していた展示の様子を紹介します。
会場の入り口をくぐり進んでいくと、通路の脇に小さな1つのバルーンが浮いています。このバルーンは人が1回の深呼吸で取り込む空気の量を表しています。
そのまま奥に入っていくとヴォールト天井の広い空間に出ます。そこにはスリットの入った直方体のオブジェクトが散りばめるように配置され、そこから送られる風によってバルーンが浮かびます。
文字は、紫外線の照射により浮かび上がります。
展示会場のエントランスファサード
制作・撮影中の様子です。
Takekoshi Minatsu (ex-Takram)
,Graham Davies (ex-Takram)
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