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AIR SHELF

ミッションを体現するシグネチャープロダクトのデザイン

Takramは、つっぱり棒のトップシェアメーカー平安伸銅工業株式会社(以下、平安伸銅工業)とのコラボレーションブランド「AIR SHELF(エアシェルフ)」の商品企画、プロダクトデザイン及びブランドディレクションを手がけました。2023年「グッドデザイン賞」を受賞したAIR SHELFは、平安伸銅工業の新しいコーポレートミッション「『暮らすがえ』の文化を創る」をプロダクトとして社会に提供するためにデザインした“シグネチャー”となるプロダクトブランドです。
20242月ごろの発売を予定しています。

ミッションを体現するプロダクトデザイン

平安伸銅工業とTakramのコラボレーションブランド「AIR SHELF(エアシェルフ)」は、平安伸銅工業が培ってきた「つっぱり」技術を最大限活用し、壁を傷つけずに美しい空中棚が設置できるシェルフシステムです。

今回、平安伸銅工業が掲げる、「『暮らすがえ』の文化を創る」というコーポレートミッションをどのように具体的な事業・プロダクトとして形にするかを考えるところから商品企画をスタートしました。

これまでは空間に付け足すつっぱり棒などの”家具未満”のプロダクトを提供してきた平安伸銅工業において、「『暮らすがえ』の文化を創る」とはどういうことか ──。

Takramは、「暮らすがえ」というコーポレートミッションとユーザーにとってのプロダクトの価値をダイレクトに接続することを目指しました。そこで辿り着いたのが、「家具領域」への挑戦です。暮らしを変えるブランドが家具未満の製品ラインナップだけでそれを体現できるだろうか。つっぱり棒の進化ではなく、平安伸銅工業の新たなプロダクトブランドによって、既存の家具では見落とされている暮らしの理想や家具のあり方をつくり出すことはできないだろうか。その実現に向けてAIR SHELFの構想がスタートしました。

シェルフのトレードオフを乗り越える

引越しやライフステージの変化によって買い替える必要がなく、住居に合わせて組み替えられ、暮らしの変化(暮らすがえ)に寄り添える家具とは。導き出した答えは、平安伸銅工業のアイデンティティであるつっぱり式を用いたシェルフシステムでした。

これまでのシェルフ(棚)は、「収納力はあるが圧迫感を生みやすい床置きのもの」と「スッキリとした見た目だが壁に固定が必要なもの」が多く、収納力とスッキリさを“気軽に”両立する選択肢がありませんでした。

AIR SHELFは、独自の柱構造で棚が空中に浮いているような浮遊感がありつつも、収納力のある壁面収納を実現します。つっぱり式の家具は壁を傷つける心配がないので、賃貸物件でも安心して使用することができます。

2本以上並べることで壁一面を壁面収納にすることも可能。

また、こうしたつっぱり式の家具の課題に挙がるのが耐荷重。安全性の問題で二の足を踏みがちですが、平安伸銅工業が長年培ってきた技術力と信頼性のもと、圧迫感を与えることのない13.5mmという薄さのアルミ棚板で10kgまでの耐荷重を実現しています。棚の強度を気にして置くものを選ぶことなく、置きたいものをしっかり置ける。それでいて空間がスッキリする。そんなシェルフを目指しました。

浮遊感を生み出す固定方法とシンプルな棚板。

心地よさのためのノイズレス

AIR SHELFは、現代の暮らしで生まれやすい“ノイズ”を徹底的に排除するために、あらゆる面からアプローチしました。外観としてビスを可能な限り目立たなくすることやコード配線を綺麗に隠す構造を盛り込むなどの視覚的なノイズレスはもちろん、周りのインテリアや置きたいものに合わせて自由な高さに棚板を固定、つけ外しでき、シェルフそのものの位置もすぐに変更が可能です。専用にデザインされたオプションパーツも組み合わせながら、棚の個性や棚の対荷重を気にすることなく、自分の理想的な棚を気軽に、きちんと、つくれることを目指しました。

家具は大きくなればなるほど設置や移動、組み替えや廃棄などへの心理的負荷が増していきます。AIR SHELFでは、プロダクトが関わるすべての体験を洗い出し、「いつでも変更できる、いつまでも使える、いつでも心地よい状態をキープできる」どの段階においても心理的負荷を減らすデザインを施しています。AIR SHELFがあることで棚が綺麗に整い、暮らしが心地よくなる。そんな存在を目指しました。

(左上)ケーブルを整えるサイドレール構造とケーブルカバー。(右上)AIR SHELF 専用ブックエンド。(左下)カバンやポスター、ハンガーなどもかけられるフック。(右下)電源タップなどを隠して置けるオプションパーツ。

拡張性をもたせた構造で、時代に合わせたパーツ展開を可能に。

Team

Project Direction:

Naoaki Iwamatsu

Creative Direction:

Naoaki Iwamatsu

Strategy & Product Planning:

Naoaki Iwamatsu

Product Design:

Naoaki Iwamatsu

Photography:

Ryoukan Abe

Interior Styling:

Yusuke Takeuchi

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