TakramのValueやプロセスを象徴するスペースデザイン
国内外で広く活動するデザインスタジオとして、Takramでは 'Collective Openness' をバリューのひとつとして掲げ、メンバーが異なる視点やスキルを持つことを奨励しています。Takram Londonの新オフィスではさまざまな素材・色・形を散りばめることで、この理念を象徴したデザインを行いました。多様な要素に囲まれたこの空間は 'Collective Openness' を象徴するだけではなく、インスピレーションや驚きを日々与えてくれる場でもあります。
セメント板と大理石のパネル、木材のブロックとコンクリートのオブジェなど、形も素材も仕上げも異なるさまざまな要素が組み合わされたデザインはひとつのデザインというよりも、まるで建築家のマテリアルライブラリのようにも感じられます。
それら多種多様な要素をつなぐのは、部屋の構造をつくりだしているフレームワークや骨組みです。キッチンやワークショップスペースには家電やパネルなどをはめ込むための枠が白いパウダーコートの施された金属でできたフレームによりつくられ、同じものが中央の長机にも使用されています。
棚やパーティションには白い棚板と交互に丸形やクロス型のコンクリート、オレンジ色のアクリルパイプ、白樺の幹、ピカピカのクロームパイプ、他にもオフィスの制作で余った部材などが組み合わされています。
ものを積み上げるというもっとも基本的かつシンプルなデザインのプロセスによって一見無秩序に見える素材たちがひとつの構造をつくりあげているのです。
「デザイナーやクリエイティブの人たちとともにインテリアデザインについて考えるのはいつもとても面白く、楽しい。Takramは私たちとは異なる分野で活躍するスタジオだが、(本プロジェクトを通じて)興味深い議論をたくさん行うことができた。このプロジェクトで心がけたのは、ただ仕事のための機能的な空間ではなく、それらの機能がクリエイティビティを生み出すことにもつながるような空間だ。」
Sam Jacobs (建築家)
Sam Jacob Studio