furumai HITOHA

Artwork with water-repellent effect exhibited at Cooper-Hewitt, 2010

笹舟のように折られた一枚の紙。 表面は超撥水加工されています。うつわ状のこの紙の上に水を垂らすと、水滴は軽やかに、そして美しく転がり始めます。紙そのものの材質や形状によって、一滴の水に込められた美しさ、貴さが際立ちます。「ふるまい HITOHA (一葉)」は、雨の雫が一枚の蓮の葉の上を伝い転がる様子から名付けられています。本作品は、20102011年にニューヨーク州マンハッタンにあるクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館で開催された「National Design Triennial: Why Design Now?」にて展示されました。

テーマ:

ふるまい HITOHAは、「水」をテーマに、2007-2008年に東京の 21_21 DESIGN SIGHTにて展示された「ふるまい」に端を発します。ふるまい HITOHAもふるまいも、共通のコンセプトとテクノロジーをもって制作されていますが、以下の説明の通り、材質が異なります。

アプローチ: 材質にこだわったプロトタイピング

水は普遍的でありながら、私たちの生活においてなくてはならないかけがえのない存在です。遊び心に満ちた水の性質を表現する手段として、撥水加工を施した器上のオブジェの上で水滴を転がす、という発想は自然に生じたものでした。特殊加工によって水本来の魅力を最大限に引き出すにはどのような方法があるか。当初、お皿や陶器を使い、それらに撥水加工を施しました。しかしながら、試作作業にかかる製造時間や費用を考慮すると、実現性が低いことがわかります。そこで着目したのが、簡易試作に用いていた、誰にでも馴染みのある「紙皿」だったのです。

水に秘められた特性、すなわち粘着性と表面張力の性質を引き出すため、強力な撥水加工で表面部分を覆いました。超撥水加工を施した紙皿十二枚の上に、水滴が自由自在に振る舞う「ふるまい」。その後、量生産を目的に材質を変え、笹舟型の一枚の紙に置き換えた作品が、ふるまい HITOHAへと進化していきました。

メッセージ: 水のふるまい、海から涙まで

「ふるまい」とはそれ自体がある種の多義語で、振(behavior) と舞(dance)ということばを含んでいます。これは、社会生活を営む上での行動(振)と、遊び心のある行動(舞)といった両面を表しています。本作品を通じて、Takramは水の希薄さ、純粋さを表現し、このような「ふるまい」という言葉の持つ二面性を表現できればと考えています。水滴は、紙皿や紙に辿り着いた瞬間、新しい生命を授かり、自由自在に転がりながら、私たちを楽しませてくれます。水は、海、雨、涙といった形で、日常生活の、ありとあらゆる場面に存在するもの。「ふるまい」の体験をもとに、水の新たな側面や意味、また別の解釈を、人の心に浮かべることができればー。Takramはそのように考えています。

CREDIT

Project Management & Design Engineering: Kotaro Watanabe (Takram)
Support: Sanae Hirai (ex-Takram)
Photograph: Takashi Mochizuki
Exhibition: Why Design Now? Design Triennial 2010-2011 at Cooper-Hewitt, National Design Museum in NYC, USA

© 2010 Takram

© 2010 Takram

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