Letters from Masai Land

Book design, 2017

Takramの太田真紀は、新刊『草原からの手紙』(クルミド出版)のブックデザインを担当しました。

クルミド出版とは、東京・西国分寺にある喫茶店クルミドコーヒーから生まれた出版社です。彼らは、コーヒーやケーキを作るのと同じように丁寧に本を作り、責任を持って自ら届けること、そしてその本が「100年後も読み継がれる」ことを目指しているといいます。

100年後も読み継がれる本」とは、強いコンテンツの力だけではできません。出版社が土となり、作家という種を長い時間をかけて育んでいくことも同様に重要です。かつてパリのカフェがフィッツジェラルドやボーヴォワールの拠り所となったように、喫茶店は常にそこにあり続け、著者が執筆をし議論をする場となり、イベントを開催して読者と出会う場ともなり得ます。このように著者と一緒に日常をともにして本作りを出来ることが、クルミドコーヒーが出版をする意義なのだと思います。

Takramはクルミド出版と一緒に編集の段階から本作りに参加し、ブックデザインと組版デザインに取り組みました。ケニアの草原から送られた手紙を想定して、軽さや手触りの良さ、距離と時間を経たような質感が出るように仕様を考えました。

20171月、同喫茶店で行われた刊行イベントでは、著者と印刷会社の方と書店の方とが直接に交流し合い、お互いの制作のエピソードを伝え合い、読者へ届けるまでのバトンを書店の方へと渡しました。このプロジェクトでは、本を執筆し売るまでのプロセスを通して、著者・編集者・デザイナー・印刷会社・製本会社・書店といった、関わるメンバーがお互いの顔を知り、少しずつ持ち場を超えながら提案をし合うことで、現在の出版業界のしくみでは叶わなかった新しい展開を生み出すことを目指します。今後、お店の場を利用して、製本家や印刷屋からの本作りの提案を著者と一緒に実現する、読者自身が編集できる本作りのしくみを作る、などの構想を一緒に練っています。

刊行された書籍は、クルミドコーヒーをはじめとした、いくつかの書店で購入することが出来ます。詳しい店舗名はクルミド出版のページをご覧ください。

Akiko Terai

『草原からの手紙』について

穏やかに進む者は安全に進む
安全に進む者は遠くまで行く

「ともに日々を丁寧に生きていきたい大切な人たちがいるのに、旅に出るのはなぜだろう。思えばエジプトでエゼキエルというマサイの長老と出会ったのは、もう1年以上前のことでした──」

土と草で覆われるマサイの大地を歩く6日間。
その道はかつて130年前、
一人のスコットランド人が歩いた道だった。

空間と時間を超えて届く、草原からの手紙。
読み終わるあなたの胸に去来するのは、
愛する人への想い?、それとも冒険心?

制作の過程(スライドショー)

美篶堂の伊那製本工場にて

CREDIT

Client: Kurumed Publishing
Book Design, Editorial Design & Illustration: Maki Ota(Takram)
Print: Fujiwara Printing co.,Ltd
Bookbinding: Misuzudo

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