PMSに苦しむ人のためのセルフモニタリングツールの包括的デザイン
Takramは、コニカミノルタ株式会社がクラウドファンディングに参加中の、月経前の不調を抱える女性の生活改善をサポートするセルフモニタリングツール「Monicia(モニシア)」のコンセプト検討、ブランディング、クリエイティブディレクション等を担当しました。
Moniciaは、月経前症候群(PMS: Premenstrual Syndrome)に悩む女性のための対策の一つとして作られた、アプリケーションとデバイスを組み合わせたセルフモニタリングツールです。
PMSとは、月経が始まる前の数日間に起こる心と体の様々な不調、そのために生活に支障が出るような状態のことを呼び、女性のおよそ5人に1人が経験していると考えられています。腰の痛み、胸の張り、むくみ、イライラや不安感、過食など、現れる症状は人によって様々です。 PMSへの対処の一つとして、まずは自分の症状を記録し、月経周期を把握することがあります。周期を予測することで、PMSが発症する前に仕事のスケジュールを調整したり、家事の分担をしたりなどの準備が可能になるからです。そのため、出来るだけ無理なく長期的に体調記録ができるよう、Moniciaのアプリケーションとデバイスは設計されています。
Moniciaアプリケーションは、症状が辛い時期でも、短時間で簡単に記録を続けられることを大切に開発を行いました。ココロとカラダの調子・気になる症状を直観的に入力することができます。卵型のクリップ式のMoniciaデバイスは、就寝前にパジャマのズボンに装着することで、月経周期の把握に必要な睡眠中の体の温度を自動計測します。
上記の多様なタッチポイントにおいて、統一的なコミュニケーション、ビジュアルのトーン、語り口を提供するために、TakramはMoniciaのブランディングに取り組みました。 自分の体と向き合い、生活を改善しながら健やかな日々を過ごしているという自己肯定感。 PMSの悩みを抱える方たちにとって、こうしたことが症状改善に前向きな役割を果たします。 Moniciaのブランドは、月経周期の管理について決して「こうあるべき」と押し付けるのでなく、悩む方の心に寄り添い、彼女たちの生活に優しく馴染むことを目指して構築されています。
Moniciaのロゴマークには、朝にやってくる太陽とも、スヤスヤと眠っている女性のまつ毛とも想起できる形をシンボルとして用いています。 PMSの症状で悩む女性達が、少しでも安らかな気持ちで眠り、前向きな気持ちで朝を迎えることができるようにとの開発者の願いが込められています。 ヘルスケアデバイスとしての清潔感・信頼感がありながら優しさと柔らかさを感じさせるブルーグリーンをキーカラーに定め、ストーリーテリングには体のリズムと向き合いながらマイペースに生活するキャラクター「Moniciaさん」をデザインしました。
Takramは、生理前の不調を抱える女性のライルスタイルや、症状、悩みなどを把握するために、ソーシャルメディアを活用したリサーチや、PMSの症状を持っている10名強の方へのインタビューを行いました。 彼女たちと同じ目線に立ち、共感を築きながら得た知見やインサイトをベースに、どのような機能的、感情的なバリューを提供できるかについて、検討を重ねながらコンセプト構築を行いました。 また、Moninicaが一貫した製品エクスペリエンスを提供し、生活者とより深く、身近な関係を築くために、プロダクト、モバイルアプリケーション、Webサイト、製品パッケージ、パンフレット、コピーといった、多岐にわたるタッチポイントのデザインのサポートを包括的に行いました。
Maki Ota (ex-Takram)
Lukas Franciszkiewicz (ex-Takram)
Yuki Shinohara (ex-Takram)
, Kyoko Takahashi (ex-Takram)Maki Ota (ex-Takram)
Gen Kogusuri (meet&meet)
Tsukaya Suzuki (Pith Films)
Masato Indo